映画雑記

 

以下以前フィルマークスで書いたものの転載です。焼き直し。

 

まずスタンリー・キューブリック監督の「2001年 宇宙の旅」

ゲームクリエイター小島秀夫がベストムービーにこれを選び、劇場で上映された時にしか見ない、上映されたらなんとしてでも見ると言っていたのが印象的だったこの映画。

上映されたら必ず見よう、そうでもないとキューブリックが意図した休憩が味わえないし大画面で見るものに間違い無いから

そんなことを思ってた矢先70mmフィルムの報せが入る。しかし即完売。師匠は国立映画アーカイブの前のホテルに前泊して当日券を手に入れるほどの熱狂っぷり。流石にそこまでの熱はないので諦めてたところIMAXの存在を知って初日に見てきたという前口上。
菊地成孔並みに長くなってしまった。

劇場で見る経験を待ちわびてたので、いつもなら良くは思わない甘ったるいポップコーンの匂いも劇場ならではこれだよこれ!とポジティブに考えられるほど


結論から言うと少し寝てしまった。
あんなに楽しみにしてたのに
最初のツァラトゥストラはやはりすごくて興奮しまくりだったのに気づいたら寝てた

でも師匠も毎回どこか寝る、でも何度も何度も見て繋ぎ合わせて楽しむと言ってたので反省はしてないし、寝てしまうのに何度も見たいと思わせる映画はこれ以外にない気がして逆にいい気分になる

前口上が長くなったようにこの映画の周り・場を楽しめる、映画シーンが公開の度に沸き立つ体験ができるのはこれ以上ない貴重なことだと思う

次に劇場で見るのは何年になるだろう。その時は誰と見てるだろう。休憩時間、2018年ではスマホをいじってる人ばかりだったが何をいじってるだろう。公開当時は新聞だったのか。そんな思いを馳せながら2018年に宇宙の旅に少しでも関われたことを誇りに思います
 
 
 
そしてショーン・エリス監督の「フローズン・タイム
 
今もお世話になってる数学の先生は問題を分かりやすくするために図形を書くのはいいが常に必要十分条件に気をつけろと言っていた。なぜなら図形に落とし込むことは捨象でありあくまで一部分としてしか見ていないから。

スーパーマーケットで働く画家志望の主人公は時間を止めて気になる女性の肖像画を描く。

「夜勤生活から解放される彼女を想像した。夢を求めて南米を旅するシャロンを。僕も一緒に旅して夢を分かち合いたい。彼女の人類愛と僕の芸術愛。」

時の流れがあってこそ人間は成立するものなのに時間を止める上に絵も描いて二次元に起こしてしまう。彼女の一部を切り取りに切り取って夢見て想像を膨らませる。


捨象して条件を読み落としたり勝手に解釈してしまう危険性も場所が変われば幸せな想像となりうる。そんな二面性を思い浮かべました。


それは別としてシームレスな場面の切り替わりはうっもりするくらい見事だしパーティに行く前の各々興奮したシーンは別の映画かと思うほどいきなりダサくてそれもまたツボでした。基本的には綺麗で、すっきりしていて人に勧めたい映画です。

絵は描けないからカメラ始めたいな
 
アートワークの綺麗な作品探してます。